朝晩の冷え込みが厳しくなり、冬の到来を実感する季節となりました。二十四節気では、11月22日頃を「小雪」、12月7日頃を「大雪」と呼び、本格的な冬の始まりを告げます。
二十四節気とは、古代中国で生まれた季節を区分するための暦法で、太陽の動きに基づいて1年を24等分したものです。農業と密接な関係があり、かつて人々は二十四節気を頼りに農作業の時期を決めていました。
今回は、冬の始まりを告げる「小雪」と「大雪」について、その由来や伝統行事、そして旬の食材を使った美味しい料理をご紹介します。
小雪(しょうせつ):わずかな雪が舞い降りる頃
小雪とは、11月22日頃から12月6日頃までの期間を指します。この時期は、山間部で雪が降り始める頃という意味で「小雪」と名付けられました。初雪を観測する地域もあり、冬が近づいていることを実感させます。
小雪の時期の伝統行事
- 熊手市: 酉の市とも呼ばれ、開運招福、商売繁盛を願って熊手を購入する行事です。11月の酉の日に行われます。
- 新嘗祭: 宮中でその年に収穫された新穀を神々に奉納し、感謝を捧げる祭儀です。11月23日に行われます。
- 七五三: 子どもの成長を祝い、神社に参拝する行事です。11月15日に行われます。
- 鞴祭(ふいごまつり): 鍛冶の神様を祀り、鞴を休ませる伝統行事です。11月8日に行われます。
小雪の頃は、木枯らしが吹き始め、紅葉が見頃を迎える地域もあります。また、鮭漁が盛んになる時期でもあります。
小雪の旬の食材と料理
- 大根: 冬大根は甘みが増して美味しくなります。ぶり大根、おでん、ふろふき大根など、様々な料理に活用できます。
- 白菜: 鍋料理に欠かせない白菜。ミルフィーユ鍋、白菜と豚バラの重ね煮など、体の温まる料理に最適です。
- みかん: こたつでみかん…冬の定番ですね!ビタミンCが豊富で風邪予防にも効果的です。
- カニ: 日本海のズワイガニ、松葉ガニなど、冬の味覚の王様!カニ鍋、焼きガニ、カニクリームコロッケなど、贅沢な味わいを楽しめます。
大雪(たいせつ):本格的な冬の訪れ
12月7日頃から12月21日頃までの期間は大雪と呼ばれます。平野部でも雪が降り始める頃という意味で、本格的な冬の到来を告げる節気です。
大雪の時期の伝統行事
- こと八日: 京都の金閣寺などで、事納めとして煤払いをする行事です。12月8日に行われます。
- 針供養: 折れた針を豆腐やこんにゃくに刺して供養する行事です。12月8日に行われます。
- 山茶花祭: 山茶花の花を神前に供える行事です。12月10日に行われます。
大雪の時期になると、本格的な寒さが到来し、積雪する地域も増えます。熊が冬眠に入るのもこの時期です。
大雪の旬の食材と料理
- 鰤: 脂がのって濃厚な味わいの鰤は、照り焼き、鰤しゃぶ、鰤大根など、様々な料理で楽しめます。
- ゆず: 香り高いゆずは、ゆず湯、ゆず茶、ゆず味噌など、様々な形で楽しめます。
- 金柑: 甘酸っぱい金柑は、そのまま食べても、甘露煮やジャムにしても美味しいです。
まとめ
小雪と大雪は、冬の始まりを告げる二十四節気です。自然のリズムや季節の移り変わりを感じ、昔ながらの伝統行事や風習を知ることで、日本の文化や歴史への理解を深めることができます。
そして、旬の食材を味わうことも、冬を楽しむ大切な要素です。それぞれの食材の持ち味を生かした料理で、心も体も温まりましょう。
今年の小雪や大雪は、どのように過ごしますか? 寒さ対策をしっかりとして、冬ならではの楽しみを見つけながら、この季節を満喫しましょう。